物構研シンポジウム’09
「放射光・中性子・ミュオンを用いた表面・界面科学の最前線」
開催のお知らせ
物質構造科学研究所長 下村 理
今年度の物構研シンポジウムでは、「放射光・中性子・ミュオンを用いた表面・界面科学」を中心テーマに選びました。
最近の薄膜や人工格子作成技術の進歩には目を見張るものがあります。これらの高品質な試料によって初めて実現されるバルク試料とは全く異なった物性は、表面や界面といった2次元の世界でのみ起こる大変興味深いものです。この研究分野は、基礎研究として重要であるだけでなく、スピントロニクスなどへの応用研究として、現在最も注目されている研究分野の1つです。
また、ハードマターだけでなくソフトマター系においても界面構造の研究は、その機能と深く関連して重要なテーマになっており、物質と生命を繋ぐ系として今後の発展が期待されています。
本シンポジウムの講演は4つのセッションに分かれています。
これらは物構研・構造物性研究センターで推進している研究プロジェクトと深く関連しています。
第1セッションでは、物構研のプロジェクト「量子ビーム基盤技術プログラム−軟X線の高速偏光制御による機能性材料の探求と創製−」に関連した講演が中心に行われます。
第2セッションでは、強相関電子系科学と表面・界面科学との接点である強相関薄膜・人工格子系を対象として、その機能と構造をテーマに講演が組まれています。
第3セッションでは、表面・界面科学とは直接的な関連はありませんが、高圧物性と地球惑星科学の最先端の話題に関する講演を聴くことができます。
第4セッションでは、ソフトな界面の構造と物性と題して、高分子から生物物質系までを対象とした研究の講演が予定されています。
昨年度の物構研シンポジウムと同様に、多くの方々に是非積極的にご参加いただき、活発な議論を通して、新しいサイエンスの芽を見つけて頂けることを期待しています。 |